舞台はニューヨーク州バッファローのカジノ。
パスポートで年齢確認を済ませて、チェックにカバンを預け、スロット台に座ったときだった。
スマホがない…
どこにもない…
やばい!やばい!!やばい!!!やばい!!!!
どこで落としたんだ!?
華やかに光るスロット台のように僕は頭をフル回転させて、ここに来るときにタクシー運転手にスマホを見せて「ここまで!」と伝えたのを思い出した。
タクシーに置き忘れた…?
カジノ入ったときの高揚感はとっくになくなっていた。
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Excuse me, I left my smartphone in the taxi which I took from…
タクシーの中にスマホを置き忘れたことをカジノの店員に説明すると、彼らはすぐに対応してくれた。僕が使ったタクシー会社を見つけて電話番号を教えてくれた。
アメリカ人は以外に親切だ。助けを求めれば結構力になってくれる…
結局タクシー会社に状況を話しても埒が明かなかった。
これはもう見つからないだろうなと思った。手伝ってくれた店員も、タクシーを拾った場所に戻ってドライバーを探すしかないと言ってきた。
海外でスマホがない生活を送る恐怖はわかっていた。
地図も見れない、バスのチケットも表示できない、連絡も取れない…落としたスマホから個人情報が抜かれてしまう可能性もあった。
僕はタクシーをひろった場所に戻った。なんとしてもスマホを回収しなければ…
カジノまでは10ドルだったタクシーが、今回は5ドルだったけれどそんなに気にならない。
あの時の白人で大柄のタクシードライバーよ、どうかそこにいてくれ…
客を待っているタクシーを一台一台確認していくと、あのときのドライバーは座席のリクライニングをめいっぱい倒して寝ていた。
僕はドライバーの昼寝を妨害して、スマホがなかったか尋ねた。
「あ~これだろ」という感じで男は私のスマホを取り出した。
僕は彼にThank you very muchと繰り返しながら、僕のスマホを取り返した。
そのあと僕は200ドル近くなくしたのであった。