10年前まで深夜アニメやそれを愛するオタクには否定的な見方をする人が結構いました。
今では、アニメは若者を中心に広く受け入れられて、そうした批判はかなり減ってきました。ずっとアニメが好きだった私には嬉しい変化です。でも、ちょっと気がかりなこともあります。
それは、人々がアニメをただ消費する娯楽として楽しんでいるだけではないか、ということです。
楽しむだけでは、無駄な時間になる
アニメを見た後、
「あ~面白かった。」「アニメーションがなめらかで躍動感があってすごく面白かった。」「悲しいストーリーで泣けた。」「結末が衝撃的なアニメだった。」
こんな感想を持ってそれだけでアニメを見たと満足感を持ってしまうのは、非常にもったいないと思います。
アニメはどう見るかによっていろいろな洞察が得られる。つまり、アニメを見るときの自分の態度によって、いろいろな学びを得られるということです。
娯楽の多い時代、娯楽に多くの時間が消費される時代において、自分の内面の成長に使う時間は少なくなっていると思います。ただ、娯楽を消費するだけでなく、深く考えることによって自分の内面を成長させる必要があるのではないでしょうか。
何を学ぶかは自分次第
例えば、今流行りの異世界転生系アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「ソードアート・オンライン」「オーバーロード」「転生したらスライムだった件」から何が学べるでしょうか。
なぜ異世界転生アニメは人気なのか、なぜ自分は異世界転生アニメが楽しいと感じるのだろうか。
異世界転生では平凡な主人公が異世界に行くことで、自分の力が目覚め世界を救ったり、大切な仲間ができたり、絶対的な力を手に入れて無双したりする。
視聴者は平凡な主人公に自分を重ねて、自分が今の世界を抜け出して、特別な力をもらって好き勝手にできることに快感を得ていると私は思う。
こう考えると世の中の視聴者は(私を含めて)、現実の世界に刺激がない、自分の好きなことができない、自分にはなんの力もないと思っているのではないか。そうした現実から逃避するために自分たち理想を描いたアニメを見ることによって満足感を得ているのだと思う。
ではなぜ、私は現実が退屈だ、自分の思い通りにならない、自分にはなんの能力もないと思ってしまうのか。アニメの主人公とは何が違うのか。
アニメの主人公で自分から異世界に転生した人物はいない。突然勝手に異世界に連れて行かれたり、気づいたら異世界にいたり。自分が何をするでもなく、世界が主人公のためのお膳立てをしてくれている。
現実はどうか。自分に都合のいいこと、刺激的なことは、何も行動しなくても起こるだろうか。基本的に起こらないだろう。自分から外に働きかけなければ、刺激は得られないだろう。
私は気づく。受身の態勢では何も変われない。
これは一例であって、一人ひとり異なる考察ができると思います。
考え方のヒント
アニメを見たあと、深く考えることで自分の変化・成長が得られるという話をしてきました。でも、見終わったあとにどんなことを考えればいいのか分からないという人もいると思います。
考え方のヒントは、
・アニメを見て自分はどう感じたか、なぜ自分はそう感じたのか、自分の考えを掘り下げる
・アニメの制作陣は視聴者に何を伝えたかったのかを考える
・キャラクターの感情を想像する
・これを見た他の人は何を考えるのか考える
といったことにあると思います。
頭を使ってアニメを見る
アニメを娯楽としてだけでなく、自分の成長の機会を与えてくれる作品だと思って見ると、より楽しめると思います。
思考を止めて、アニメを消費してはもったいない!