前期にやっていたアニメ「バビロン」を見終わりました。ぞっとするアニメ、考えさせられるアニメで最近のアニメでは面白いと思いました。
今日はアニメ「バビロン」の感想を書いていきます。ネタバレを含んだ内容になりますので、それが嫌な方は、ご自身でアニメ見てみてください。原作小説もあります。
バビロンあらすじ
まず、簡単にバビロンのあらすじを紹介します。すでにアニメをご覧になった人は飛ばしてください。
主人公の東京地検特捜部検事・正崎善は製薬会社の不正事件を追ううちに、とある女性・曲世(まがせ)と出会う。曲瀬には催眠術のような能力があり、”話しかけるだけで”他人を自由に操ることができるようだった。そして正崎は、彼女が裏で人を自殺に誘導し、独立自治区・新域で「自殺法」(自殺する権利を認める法律)の制定に加担していることを知る。
曲世を止めるために奮闘する正崎だが、曲世の囁きで捜査中に同僚が次々に自殺してしまう。捜査を一度は諦めた正崎だったが、アメリカのFBIから協力(情報提供)を求められ、世界中で自殺法が認められつつある現状を変えるべく(曲世を消す)ためにFBI捜査官となる。
曲世が世界中の都市で自殺法が導入されていることに関わっているのは明らかだった。そして、ついにアメリカ大統領にも曲世からの電話が。
世界中に配信されているLive映像で大統領が自殺しようとしている。大統領は「善とは続くこと」という答えを見つけたが、曲世の言葉によって自殺をやめることができない。正崎は同じ答えを見つけたものとして大統領が自殺する前に彼を銃で撃つことを決意する。
大統領を撃った正崎の前に曲世現れる。彼は曲世にも銃を向ける。銃声が鳴り響いた。正崎は自殺した…
後味がいいアニメではありませんね。詳細が気になる方はぜひ原作、またはアニメを御覧ください。
総評
個人的にはバビロンは面白いアニメだったと思います。
「自殺」という重いテーマに対し、非現実的な要素(曲世)やサスペンス、ホラーの要素を加えることで「自殺は悪いこと？」という問に対して考えつつも、ストーリー自体を楽しめるように構成されていたように感じます。
いきなり世界に話が広がったりツッコミどころもありますが、私はこういうぞっとするアニメは好きです。ひぐらしのなく頃にとか。
自殺は悪いこと？善悪って何？とか考えさせられるアニメだと思います。
アニメからの問「 自殺は悪いこと? 」
アニメの中で自殺いけないこと？て何度も聞いてきます。バビロンを見て自殺してもいいんだと思う人がいるかも知れませんが、それは違います。アニメでも最終的に主人公や大統領が自殺は良くないことだと判断しています。
「自殺がいいか悪いか」を考えるには、根底にある「善とはなにか、悪とはなにか」を考えなければいけない→「善とは”続くこと”だ」だから「命が途切れる自殺はいけないことだ」と結論づけられていました。
個人的にも自殺は良くないと思っています。その理由は「自分以外の人を不幸にするから」です。
私は、借金で首が回らなくなって、大学にもいけなくなって、「自分なんかいないほうがマシだ。消えてしまいたい」と思ったことがありました。自殺も考えました。でも、死ねなかった。
自殺するだけの勇気がなかった。それに自分が死んだあと親や周りの友人がどうなるか・どう思うかと考えると死ぬことはできませんでした。
アニメの序盤でも自殺法の是非を問う討論の中で、自殺しようとする父親を止めようとする息子の話がありました。結局うやむやになりましたが…
自殺と安楽死、尊厳死
自殺と安楽死、尊厳死についてちょっと書いておきます。
この3つは考え方が異なります。
簡単に説明すれば、自殺は生命予後に関係なく自ら命を断つこと。安楽死はこれ以上の苦痛よりも死を求め誰かに頼むこと。尊厳死は本人の意志を尊重して延命しないこと。になると思います。
安楽死は予後が悪い終末期の人に対して、苦痛を与えずに死に至らしめることです。死を選択するのは自分自身ですが自殺とは違い、行為の主体として他人が関与します。安楽死にも積極的安楽死、消極的安楽死と種類があって前者は命を終わらせる目的で何かをする場合、後者は命を終わらせる目的で何もしないことです。
尊厳死はその人が最後まで自分らしく生きられるように、本人の意思表示を尊重し延命治療を拒否または中止することです。
最後に
つまり何が言いたいか。若者の自殺は、安楽死でも、尊厳死でもなく「続く」はずの命を断つ行為です。これか何十年といろいろな体験をして心を豊かにできる可能性があるのに、それをすべて放棄して死んでしまうのは非常にもったいないことだと思います。
若者の自殺が多いのは本当に悲しいです。想像もつかないぐらい苦しい想いをして自殺を選択する人がいると思うと胸が苦しくなります。
バビロンを見て命について少し真剣に考える人が増えるといいと思いました。
