「薄く。軽く。壮大。」をうたった「iPad Pro」が11月に販売される。
今回は、「iPad Pro」を徹底的に分析して、どういった使い方があるか、どのような人が買うべきなのかを考えていきたいと思う。
iPad Pro 基本スペックチェック・特徴
まずは、「iPad Pro」の基本スペックを見ていこう。
ディスプレイ | 12.9インチRetinaディスプレイ(2732×2048,264ppi) |
CPU,RAM | 64bit,A9Xチップ,M9モーションプロセッサ,4GB(非公式情報) |
サイズ | 305.7×220.6×6.9mm |
重量 | 713g(Wi-Fiモデル),723g(Cellularモデル) |
バッテリー | 38.5Wh,Wi‑Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最大10時間 |
背面カメラ | 8メガピクセルiSightカメラ |
前面カメラ | 1.2メガピクセル |
マイクロフォン | デュアルマイクロフォン |
センサー | Touch ID,3軸ジャイロ,加速度センサー,気圧計,環境光センサー |
OS | iOS9 |
「iPad Pro」の最大の特徴は12.9インチのディスプレイだ。サイズとしては「MacBook」、「MacBook Air 11inch」以上のディスプレイサイズである。しかし、ベゼルが狭いため、全体の大きさ的には「MacBook」、「MacBook Air 11inch」と同等の大きさとなっている。それでいて画面の解像度は2機種よりもはるかに高い2732×2048,264ppiで、重量も713g(Wi-Fiモデル)だ。最近発表されたmicrosoftの「Surface pro 4」は12.3インチ267ppi,766-786g,厚さ8.45mmなので、「iPad Pro」のほうが薄く。軽く。なっている。
iPad Air,iPad mini 4と同様に指紋認証センサー「Touch ID」も搭載している。4K動画の編集には対応しているようであるがカメラは4K 動画を撮影できないのは残念である。CPUはiPad Airの1.8倍でより高速になってる。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイのいつもの三色。
個人的に「iPad Pro」の特筆すべきもう一つの点は「4スピーカーオーディオ」だと思う。四隅に配置されたスピーカーは動画を見るときや動画を編集するとき、音楽を聞くときなどに大きな力を発揮するだろう。
「iPad Proのアクセサリー」
「iPad Pro」のアクセサリーは2つある。
スタイラスペン「Apple Pencil」とカバー兼キーボード「Smart Keyboard」だ。
「Apple Pencil」は「iPad Pro」専用のスタイラスペン。充電式でLightning端子なので端末に指すだけで充電できる。15秒の充電で30分間使えるのは驚きだ。フル充電なら12時間使える。絵を描く時や、メモを取る時などに活用できる。
「Smart Keyboard」は「iPad Pro」専用のカバー兼キーボード兼スタンドである。microsoftの「surface」の「type cover」と同じようなものだ。本体との接続は「iPad Pro」の左側面の「smart connector」で行う。給電もここから行うので充電の必要はない。膝に乗せて「iPad Pro」をキーボードと一緒に使うのは安定性の問題上難しいかもしれない。
「iPad Pro」の用途
では実際、「iPad Pro」の使い方にはどのようなものが想定されるであろうか。おもに2つの用途があると思う。
一つはレポートや文章、プレゼンテーションの作成、もう一つは動画の視聴だ。
「Apple Pencil」や「Smart Keyboard」の発表からしてappleが「iPad Pro」を”書く”端末として用意していることは確実だ。ビジネス用途として、大画面ながら軽量でモバイル性に優れた端末だと思う。また、タッチ画面なので操作性も優れている。
「iPad Pro」の大きく高精細なディスプレイと「4スピーカーオーディオ」。これらは動画を視聴するのに最適と思われる。場所を選ばず大画面で美しい映像が楽しめるのは魅力的だ。
「iPad Pro」は買いなのか
結論から言えば、「iPad Pro」は持ち運び用としては”買い”でないと思う。理由は「iPad Pro」がノートパソコンとして使えなさそうだからだ。
確かに、タッチディスプレイを搭載しキーボードカバーもスタイラスペンもあるのだが、「iPad Pro」はノートパソコンとしては使えない。原因はOSにある。「iPad Pro」のOSはiOS9である。マルチタスキングに対応したとはいえ、macのOSやwindowsのように、ウィンドウ化はできないし、Finderやエクスプローラのようなファイルマネージャーも存在しない。アプリ間の連携も不十分である。またUSB端子も存在しない。クラウドを利用すれば、なんとかビジネス用に使えるかもしれないが、多くの不便に直面することだろう。
また、デバイスそのものに関しても、スタイラスペンを収納する場所がなく不便だ。
「iPad Pro」にはかつてmicrosoftが販売して、失敗した「surface RT」と同じにおがする。PClikeなのに完全なPCとして使えない感じがするのである。「surface RT」はタブレットともノートパソコンとも差別化ができずに失敗した。「iPad Pro」も「Macbook」と「iPad」との差別化ができていない。最近発表された「surface pro 4」は完全なPCとして使えUSB端子もあり、「iPad Pro」よりも遥かに魅力的に見えてしまう。
「iPad Pro」にmacのOSが搭載されていたなら、良かったかもしれない。。。
とは言え、「iPad Pro」は家においておく端末としてはいいだろう。どこでも大画面、高画質、高音質でメディアが楽しめるからだ。
自分の用途に合わせて購入を検討すると良いだろう。
さいごに、「iPad Pro」の価格を書き忘れていたが
16GBモデルが10万円前後
128GBモデルが12万円前後となるだろう。